北京ダックと聞けば、中国の高級料理を思い浮かべることでしょう。
北京ダックとは、下処理をして味付けをしたアヒル(家鴨)を丸焼きにする中国料理です。
敷居の高そうな中国料理店にあるメニューなので高級料理のイメージがありますが、中国では必ずしも高級料理ではないようです。
気軽に楽しめるごちそうメニュー……くらいの位置づけです。
スポンサーリンク
そもそも北京ダックとはどんなお肉なのでしょうか?
鶏肉には違いないですが、ダックというくらいですから、アヒルの肉です。
アヒルとは、漢字で「家鴨」と書くくらいですから「鴨」の仲間なのです。
(左がアヒル 右が鴨)
鴨は飛ぶことができますが、アヒルは飛べません。
これは家畜化するのに飛んで逃げられないように檻の中にいれられたもの同士、飛ばなくて良い鴨として遺伝子が受け継がれ、飛べない鴨……アヒル(家鴨)が誕生したわけです。
また肉質を良くするため、ムギや大豆、トウモロコシなどカロリーの高い食事を与えあまり運動させずに太らせていることから体重が重く飛べないのかもしれません。
肉や卵・羽などを取るために野生の鴨を家畜化したのがアヒルなのです。
日本の家畜はニワトリが主流で、アヒルの家畜化はあまりなじみがありませんね。
アヒルの肉は「北京ダック」などに、卵は「皮蛋(ピータン)」などの中国料理の材料になります。
皮蛋(ピータン)は、見た目もグロテスクですし独特の硫黄臭がすることから好き嫌いお嗜好がはっきり分かれるメニューです。
肝臓は「フォアグラ」として食され、その他、羽は羽毛布団やダウンジャケットになりますね!
こうやってみるとアヒルは高級な食材や素材として扱われているんですね。
スポンサーリンク
北京ダックは中国料理の高級食材として扱われます。
これは単にアヒルが高級食材であるから……というわけではありません。
誰もが認め、誰もが納得する美味しさだから価値が高いのでしょう。
しかも北京ダックは、丸焼きにしたアヒルの外側の皮とその皮に近いお肉の一番美味しい希少な部分だけを食しますのでさらに価値が高くなるのです。
北京ダックで一番美味しい部分は「胸肉の皮」です。
日本でメジャーな鶏肉(ニワトリ)はモモ肉が一番美味しいと言われ価値が高く、胸肉はモモ肉の半分以下の価値しかありませんが、鴨の胸肉は「鴨ロース」と言われ、胸肉が一番価値が高いのです。
皮のパリパリ感と脂肪の旨味を味わうことから、日本では北京ダックの皮だけを食べる……という説がありますが、本場北京では、皮に肉をつけて削ぎ切りをし肉厚なものを食べるのが主流です。
残りのお肉は炒め物にし、骨はスープにします。
食べ方は、パンにはさんだり生地で巻いたりしますが、高級料理での北京風的な食べ方は、「カオヤーピン」という春巻きの皮のようなものに「甜麺醤」を薄く塗って、キュウリやネギの千切りと北京ダックを巻いて食べます。
カオヤーピンとは主に北京ダック専用の皮として販売されていますが、鶏肉や豚肉、または鮭などを巻いても美味しいです。
北京ダックを中国料理店で注文すると結構なお値段をいわれますが、お取り寄せすれば家庭で気軽にお安く楽しむこともできます。
カットされた北京ダックと包み込むカオヤーピンの皮、それにカオヤーピンの上に塗る甜麺醤がセットになっていて、あとはお好みでキュウリや白髪ねぎを用意するだけで高級中国料理が簡単に楽しめます。
【横浜中華街 中華食材専門店】耀盛號(ようせいごう)北京ダックセット(3〜4人分)