夏の風物詩「そうめん」! 見た目は同じでも「のどごし」と「食感」は雲泥の差!
暑くなると「そうめん」が恋しくなりますよね!
いつもはスーパーマーケットで安い乾麺の「そうめん」を買っていますが、たまに奮発して「揖保の糸」を購入したときは、その「のどごし」と「食感」の美味しさを味わっています。
素麺の美味しさは見た目では判断しにくいですが、なんでこんなに美味しさに差が出るかというと、それは製造方法の違いにありました。
製造方法の違いとは大きく分けると、「手延べ製造」か「機械製造」かの違いです。
手延べ製法は、気温による塩分調整をするなど長年培った職人技の力量で、小麦粉に食塩と水を混ぜて練り、食用油を塗っては延ばし、ひねりを入れてまた延ばす…という工程を繰り返します。
この工程を丁寧に手間暇をかけてこなすことで、食感に影響を与えるグルテン組織が均一にキレイに形成され、のどごしや口当たり・程よい弾力性のある麺に仕上がるようです。
一方機械製造の素麺は、練った生地を平らに延ばし、板状にして細くカットしていきます。
この決定的な違いは、手延べ製造は、機械製造のように細くカットする製法ではなく、引き延ばす製造方法で細くする……ということです。
ちまたで出回っている素麵の多くは、安く販売するため 大量生産できる機械製造のものが多いです。
しかしグルテン組織が均一にならず、ばらつきが出るため手延べ麺の美味しさは出せません。
「手延べ」と表示されていないものは、ほとんどが機械製麺です。
これは奈良県にある三輪山本の手延べそうめん製造工程の動画です。
機械を利用しているのはあくまで人間の補助的なものです。
手間暇かけた「手延べ」製造のほうが「のどごし」や「口当たり・食感」に差が出て美味しくなるから価値観が上がるようです!
美味しい手延べ素麺は?……と聞かれて思い浮かぶのはなんですか?
おそらく、「揖保乃糸」ではないでしょうか?
なぜならば「揖保乃糸」は、手延べ素麵の最高級品グレードとしてどこのスーパーマーケットでも大々的に販売しているのをよく見かけるからでしょう。
確かに「揖保乃糸」は美味しいです。
いつも安い乾麺の「そうめん」を食べていると、「揖保の糸」美味しさが実感できることでしょう。
「揖保乃糸」は「手延べそうめん」です。
「手延べそうめん」は、手で延ばして細くすることから、細い麺ほど高級品とされています。
そうめんの定義はJAS規格で1.3㎜未満とされています。
「揖保乃糸」はそれ以下の0.7~0.9mm、特級クラスのハイグレードのもので0.55~0.6mmの細さです。
しかしこれよりもはるかに細い0.3㎜のものがあるんです。
それは三輪山本の「白髪(しらが)」です。
素麵は奈良県三輪が発祥の地で、三輪山本ブランドが素麵の生みの親……とされています。
モンドセレクション最高金賞を5年も連続して受賞しています。
その三輪山本の手延べ極細麺「白髪(しらが)」は、技術上熟練の素麺師でなければ作れず、量が多く製造できません。
ですからどこのスーパーマーケットでも売っている……というわけにはいかないのであまり有名ではないかもしれません。
ですからどこのスーパーマーケットでも販売している「揖保乃糸」のほうが、知名度的には上回っているのだと思います。
超極細麺の「白髪(しらが)」は、料亭などで椀だねや小鉢の一品としてよく用いられているようです。
この三輪山本ブランドの売れ筋商品には「贈答用」に「白龍(はくりゅう)」がありますが、こちらの麺の細さは「揖保乃糸」特級クラスので0.6mmと同じ細さでお値段は揖保乃糸よりは若干お高くなっています。
名前が似ていて間違えやすいのですが、ご家庭用に「白瀧乃糸(しらたきのいと) 」もあります。
この麺の細さは一般的な細さですが「古物(ひねもの)」です。
「古物(ひねもの)」というと古いものを想像される方がいるかもしれませんが、古いものではありません。
そうめんは、高温多湿の梅雨期を越すことで一種の高温発酵をします。これを「厄」を越すといいます。
「古物 (ひねもの)」とは、今年2回目の梅雨「厄」を越す(製造から2年目を迎える)もので、新物のそうめんに比べて、コシが強い麺に変化しています。
お値段は1束あたりに換算すると、だいたい一束80円くらいなものです。
しかしやっぱりどうせなら、料亭などでも扱われている透明感のある食感とのどごしの良い手延べ素麺「白髪(しらが)」を、一度は体感されることをおすすめしたいです。
お値段が高いのでは……といっても、ひと束あたりで換算すると、数百円でしかありません。
その美味しさに、お値段の価値観分の満足は得られると思います。
お中元にも最適で、必ずその美味しさに喜ばれると思います。