お米の人気ブランド「ササニシキ」って知ってます?
1993年(平成5年)まで、全国の作付け面積が「こしひかり」に次ぐ第2位を維持し続け、日本のお米といったら、「こしひかり」か「ササニシキ」か……と言われるほどでした。
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「ササニシキ」とは
あっさりとした味でくどくなく、おかずを引き立てるようなお米です。
「こしひかり」は、粘り気が強くモッチリとした食感で甘みがありますが、
「ササニシキ」は、口の中でホロホロと心地よくほどける、粘り気の少ないやわらかな食感です。
お米自体が「俺が俺が……」と主張せず、おかずを引き立てる「縁の下の力持ち」的なお米なのです。
お刺身やお寿司、煮物、おむすびなどの和食に最適で、冷えても美味しさが落ちない特質をもっていることから、お寿司屋さんでは「ササニシキ」が好まれて使われていました。
「こしひかり」は、粘り気があって甘みが強く、お米自体の主張が強いので、寿司ネタの風味を生かしにくいようなのです。
また「ササニシキ」は、粘り気が少なく、ほぐれやすいことから、チャーハンにも最適なのです。
このように「こしひかり」とは真逆の特徴をもつお米が「ササニシキ」で、それぞれに人気が高かったのです。
しかし今「ササニシキ」は、スーパーマーケットなどではほとんど見かけることがなくなりました。
今は「あきたこまち」や「ひとめぼれ」など、「こしひかり」系統のモッチリ系で甘いお米ばかりが店頭に並んでいます。
今でこそ、いろんな銘柄のお米がたくさん出回るようになりましたが、ひと昔前は「コシヒカリ」か「ササニシキ」か……あっても「あきたこまち」か……というくらい、人気のブランド米だったのです。
もう、「ササニシキ」は人気がなくなって絶滅したのでしょうか?
「ササニシキ」が店頭に並ばないということは、あっさりしたお米は人気がないのか?……といえば、そういうわけではありません。
いまだに「ササニシキ」を求めて、探し回って仕入れているお寿司屋さんもあるくらいで、その他にも全国に「ササニシキ」の根強いファンがたくさんいるようです。
ではなぜ、「ササニシキ」は店頭に並ばないのでしょうか?
それは、「ササニシキ」は天候に左右されやすい特質があり栽培が難しく、1993年の大冷害をきっかけに生産量が激減し、収穫量が落ちてしまいました。
その代わりに、冷害にも強く育てやすい新品種「ひとめぼれ」に生産を移行する農家が増え、「ササニシキ」を生産する農家がほとんどなくなり、幻のお米となってしまったのです。
「ササニシキ」は宮城県で誕生したお米ですが、その宮城県でも作付けが、「ササニシキ」からほとんどが「ひとめぼれ」に移行してしまいました。
しかし宮城県で今でもひっそりと、栽培が難しいながらも、わずかながら生産され、地元の方々が「ササニシキ」の味を楽しんでいます。
幻のお米となっていますが、お値段は他のお米と同じような価格で、わずかながら手に入れることができます。